日本投資機構株式会社 アナリスト江口と「投資リスク」について考える
こんにちわ。
日本投資機構株式会社、アナリストの江口です。
前回までの記事はこちらになります。↓↓↓↓↓
1.日本投資機構株式会社 アナリスト江口と「投資」について考える
2.日本投資機構株式会社 アナリスト江口と「銘柄選定方法」について考える
3.日本投資機構株式会社 アナリスト江口と「バリュー投資とグロース投資」について考える
本日のお題は
「投資リスク」
株式投資のみならず、投資全般において知っておく必要のある項目となります。
重要なポイントになりますので、
3部にわけてしっかりと説明させていただきます。
長く投資を続けていくためには「リスク」を理解する事が必須であり、
リスクというものを考えて、リスクが高まった場面でしっかりと認識できる必要があり、そして直面したリスクをコントロールする必要があります。
リスクには大きく“3つの要素”が含まれると考えています。
①リスクの回避思考
基本的に人はリスクというものを「悪」であると認識しています。もちろん悪であるリスクは回避を望み、リスクが大きい状況と小さな状況では、小さなリスクを選ぶという事が基本的に頭に刷り込まれています。
②リスクの認識
未来のリターンに付随するリスクを軽視しがちになってしまう傾向があります。リターンは未知なる数字であり、当然未来を予測する事は出来ても、的中させることは絶対ではありません。しかし、リターンはリスクを上回るものと錯覚をしてしまいがちです。
③リスクの評価
リスクを認めた上で、そのリスクについての評価を下さなければいけません。成績としてリターンのあった投資に対して、どのようなリスクがあったのか?どのように回避できたのか?容認したリスクは範囲の中だったのか?安全な投資が出来たのか?など。ただ利益が出た。損失した。で終わらせてしまってはいけません。なぜ利益が出たのか?なぜ損失が出たのか?リスクの評価を行う事で、今後の投資にいきる分析が出来るようになります。
よく、市場でも、お客様の声でもありますが
「高リスクな投資は、高リターンをもたらせてくれる!」
「儲けたければリスクをとれ!」
これって私は間違ってると思っています。
だってそうではありませんか?
高リスクの投資が必ず高いリターンを期待できるのであればそれは
高リスクとはもはや呼べないのではないでしょうか?
リスク=リターン指数ではありません。
私が考える高リスク投資とは
“見通しが不透明な投資”だと思っています。
そして、現在、リスクという言葉を希薄化してしまう言葉が主流となってきています。
ボラティリティー(価格変動)
私の中では
ボラティリティー=リスク
しかし、どうでしょう?
例えば、私が下記のようにお客様に銘柄をご推奨したとしたら、あなたがお客様の立場で考えて頂いたとしてどう感じますか?
「今回ご推奨する銘柄は“リスクの高い銘柄”です。期待できますよ。」
と説明されて銘柄の推奨を受けるのと
「今回ご推奨する銘柄は“ボラティリティーの高い銘柄”です。期待できますよ。」
誰もが後者の表現の方が、期待してしまうのではないでしょうか?もしくはリスクが低いと勘違いしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし価格変動が大きな銘柄という事は、下げる時も大きいという事です。
このようにリスクの介在を希薄化してしまったボラティリティーという別の言葉に脳が錯覚を起こしてしまいます。
ではここでお聞きいたします。
「投資におけるリスク」ってとどのつまりなんだと思いますか?
私は、【資金がなくなってしまう可能性】だと思っています。
これは昔勉強した“ハワードマークス氏”の著書の影響をもろに受けていますが、その通りだと感心したものです。
先ほど、高リスク投資=見通し不透明な投資
と定義づけましたが
リスクを数値化することが出来ないところに起因しています。
なぜ数値化できないのか?というと
「見解の相違」
があります。
どんなに著名なアナリストが選定した将来を嘱望された銘柄であったとしても、それは予想の範疇でしかないからです。
私が、ある特定の銘柄に対して抱くリスクと、あなたが抱くリスクはおそらく違います。
つまり、リスクを測る基準が存在していない事です。
存在しないものを探し求める旅は、先行き不安ですよね。
なので高リスク投資は「見通しが不透明」と言えるのです。
リスクは自身で考え、認識し、評価しなければいけません。
今回はリスクについて一緒に考えてみました。
次回はリスクの認識についてお話いたします。
非常に大事な項目です。私もこれからも引き締めて、決してリスクを軽んじない投資家を目指していきます。