東京市場大引け『市況』by日本投資機構株式会社
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■2月28日 本日の見出し
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米中通商協議への楽観的な見方が後退、
経済指標なども嫌気され軟調な展開に。
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■本日の相場概況
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『国内』
28日の東京株式市場で日経平均株価は
前日比171円35銭安の2万1,385円16銭と反落。
前日には米ライトハイザー通商代表部(UCTR)代表が
中国の経済モデルに「著しい構造的変化」を
もたらす合意を米国は求めていると発言。
中国による追加購入だけでは合意には不十分だとしたことで
米中通商協議への楽観的な見方が後退し
米国株が下落したことが重荷となりました。
中国と広範な通商合意に至るのは1回限りとはならず、
実務レベル協議を毎月開くほか、
次官級を四半期ごとに、閣僚級を半年に1回
開催する計画だとも明かしています。
また、国内の1月鉱工業生産指数(速報値)が
前月比3.7%低下と、市場予想を大幅に下回ったことで
自動車株などに売りが目立つ展開に。
中国の2月製造業購買担当者景気指数が
3年ぶりの低水準となったことも嫌気されています。
2日目を迎えた米朝首脳会談では、
トランプ米大統領が会談の冒頭、
非核化交渉について「スピードは重要ではない」と
述べたと伝わりましたが反応は限定的。
ただ、パウエルFRB議長が27日に、
「資産縮小を年内に停止する方向で検討している。近く公表する」と述べ、
3月の次回会合で最終決定するとの観測も浮上したことは
株式市場への資金流入が強まるとして下支えとなっています。
前日まで上昇を続けていたことから過熱感が意識された面もあり
日経ジャスダック平均株価、東証マザーズ指数も反落しています。
『海外』
28日午前の中国・上海株式相場で上海総合指数は反落。
朝方発表の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)が
約3年ぶりの低水準となり、利益確定売りが優勢となりました。
『為替』
14時時点の東京外国為替市場では、1ドル=110円88銭近辺と円安に傾倒。
日米金利差の縮小観測が後退したことを背景に
円売りが優勢となりましたが、
今夜の2018年10~12月期米実質国内総生産(GDP)の公表を控え、
売り一巡後は小動きとなっています。
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■明日の日本株見通し
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米中通商協議への期待感から上昇相場が続いただけに
「思ったほど簡単ではない」という材料だけでも
相場が調整することは避けられないでしょう。
また、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は
27日に米議会下院の公聴会で
「日本を含むアジア各国で為替の問題がある」と発言。
経済連携協定(EPA)については
「日本と交渉を始める緊急性が大きい」と述べ
3月にも来日し、日本と貿易交渉について
初会合を開きたい意向を表明しております。
米中が通商協議で合意に向かったとしても
次の標的が日本になると意識されることから
3月中に相場が一旦調整する可能性は
頭に入れておくべきでしょう。
ただ米国による中国への追加関税が発動されず、
中国の景気刺激策の効果も表れつつあるとの期待から
今がサイクルの底だとの見方も根強いです。
現状では大きく売り込むような材料は特にないため
外部要因に左右されにくい内需株などを中心とした
物色の動きが続くとして明日の相場を見ていきます。
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■主要指数
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『海外』
・NYダウ:25,985.16ドル (-72.82)
・ナスダック:7,554.509 (+5.211)
・S&P500:2,792.38 (-1.52)
・為替 ドル円:110.75-110.76円 (+0.38)
『国内』
・日経平均株価:21,385.16円 (-171.35円)
・TOPIX:1,607.66(-12.76)
・日経ジャスダック平均株価:3,468.33円 (-8.51円)
・東証マザーズ指数:918.18 (-21.23)
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■明日のイベント
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『国内』
1月有効求人倍率(8:30)
1月完全失業率(8:30)
2月都区部消費者物価指数(8:30)
10-12月期法人企業統計(8:50)
2月新車販売台数(14:00)
2月軽自動車新車販売台数(14:00)
『海外』
米中貿易協議期限
米債務上限の適用停止期限
米1月個人所得(22:30)
米1月個人支出(22:30)
米12月個人所得(22:30)
米12月個人支出(22:30)
米2月ISM製造業景気指数(3/2 0:00)
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■株式2.0参加者様へワンポイント!
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アナリストの江口です。
過熱感が高まっていたこともあり
久しぶりに新興市場も下落となりました。
相場が年始から上昇を続けただけに
目先少し調整を挟む可能性はございます。
ただ、下げ幅は限定的だと見ていますし、
5月には改元も控えますので
下げたとしても戻りは早そうです。
上手く押し目を拾って
利益を狙っていっていただければと思います。
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